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2013年10月 1日 (火)

あまちゃんを熱く語る その2

あまちゃんは人情喜劇にカテゴライズされる作品なので、まずは喜劇的要素の話を。

笑いはね、善し悪しより感性の問題だから笑えないからって作品を貶めるのは違う気がする。ことあまちゃんに関しても乗れるギャグ、乗れないギャグ、色々あるけど個人的に一番ツボだったのは第27話の君に胸キュンですか。曲の拍子に合わせたカットワークと、アキが目覚めてからのキャスト&編集の間合いが素晴らしく腹筋崩壊。これは通勤途中に観なくてホント良かった。

第143話のアマゾンも相当に来た。これはもうシナリオや演出云々じゃなく磯野先生のキャラ勝ちだけど。あと、個人的に好きなのは第48話のE.T.ですかね。ナレーションや落下スピードを含めた間合いが秀逸。あと、笑えるってのとは少し違うけど第107話のプロジェクトXは、恐らく編集スタッフがオリジナルを研究しつつ楽しみながら再現したんだろうな~という事がうかがえて好印象。その他のパロディに関しては乗れたり乗れなかったりって感じ。

人情劇的な部分だと第70.72.131.153話等、物語展開の大きなヤマ場には泣けるエピソードがお約束で用意されてたけど俺的ベストは第72話かなあ・・ これはもう関連番組で名場面として何度も紹介されてるからネタバレを考慮せず書いちゃう。

まず、春子上京の回想。春子の母・夏は立場上プラットホームで娘を見送る事が出来ず、浜で一人孤独に走る列車へ向かって旗を振り我が子を送り出す。しかしながら春子はその事に全く気付かないという寂しくも切ないシーン。そこから現代に戻り、夏ばっぱは25年前同様に上京する孫を浜で旗を振って見送る。そして孫のアキはその事に気付いて笑顔で手を振る。もうね、絞め殺したくなる程に巧い。こんな展開を見せつけられたらオッサン号泣してしまうわ。

131話でアキが、153話で鈴鹿ひろ美が潮騒のメモリーを歌うエピソードも泣けたけど、あれは音楽の相乗効果がある。特に153話は久々に薬師丸ひろ子の歌声を堪能出来たという二次的な感動も含まれるので、俺は純粋に構成で泣かせる72話へ軍配を上げたい。

笑いや涙とは別に全編で最も陶酔させられたのは以前にも書いた通り第103話ですね。物語展開的にもかなりスリリングなエピソードだったけど、画面から伝わる緊張感は物語云々とは別問題な気がする。関連本を読むとあのエピソードは複数台のカメラを回して、ほぼ15分間まるまる1テイクで撮られたらしい。要するに舞台劇的な、更に言えばドキュメンタリー的な要素が含まれてるんだね。

序章でも書いたけどシナリオはあくまでも骨組み。こういった現場スタッフやキャスト陣の肉付けが作品クオリティを決定付ける。確かにクドカン作のシナリオも良く出来てたと思うけど、それを受けて魅力的に具体化したのは制作・技術スタッフ及び出演者なので、ここは軽視して欲しくないな~と技術サイドの人間として強く思う。

他にも書きたい事は色々あるけど、キリがないのでこれにて終了。あ、書き忘れてたけど俺って録画したあまちゃんは観たら即データ消去してたものの、潮騒のメモリー撮影のエピソード(第126-131話)は気に入っちゃってど~しても消す事が出来ず、そこから最終回までBD-Rに焼いて保存してる事を白状しておく。BDソフトも少し欲しいけど高いし、買ったところで大して観ない事は分かりきってるので購入は保留中。

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