« 2014年3月に観たWOWOW録画BD(DVDソフト含む) | トップページ | リトルショップ・オブ・ホラーズ ディレクターズカット版 »

2014年4月 6日 (日)

ジーザス・ファントム・ロッキー

三池崇史監督の愛と誠は原則ミュージカル映画じゃないんだけど、主要キャラがいきなり昭和歌謡を歌い始めて周囲の登場人物も踊り出すシーンが幾度となく描かれる。俺はその事前情報を掴んでおらず、主役の妻夫木聡氏が冒頭で突然ヒデキの激しい恋を歌い始めた瞬間には相当面食らったものの、それと同時に得も言われぬ魅力の虜になった事を白状しておく。

そして70年代のAクラスではないミュージカル映画が見返したくなり、手持ちのDVDを引っ張り出してきたりBDを買ったり。

140406

ちなみに今回再見したのはノーマン・ジュイソンのジーザス・クライスト・スーパースター、デ・パルマのファントム・オブ・パラダイス、ジム・シャーマンのロッキー・ホラー・ショー、それと70年代じゃないけどリトルショップ・オブ・ホラーズ(フランク・オズ版)。ファントム~は手持ちのDVDで、その他はBDにて。ロッキー~はレンタルで済ませたもののジーザス~とリトルショップ~はソフト購入。理由としてジーザス~は字幕無しの輸入盤しか観た事が無かったのに最近国内版がリリースされた事と、リトルショップ~には幻のディレクターズカット版が収録されてる情報を掴んだから。

リトルショップ~に関しては改めて書く事にして、ここでは70年代作の3タイトルの話を。ちなみに70年代ミュージカルと言えばケン・ラッセルのTommyも外せないけど俺的にはザ・フーの、それもオリジナルアルバム以上に豪華ゲスト満載のライブバージョンに勝る物は無いと思ってるのでここでは度外視。嫌いじゃないけどね。

3作共好きな作品なので優劣は付けず、それぞれの魅力と作品を巡る環境の話を書いていこうかと。まずジーザス・クライスト・スーパースター。舞台劇をそのまま映画化した印象なれど映画的な要素も多く含まれており、純然たる史劇ではなく現代のイスラエルに現れた一座が遺跡を舞台にイエス・キリスト最後の7日間を演じて去っていくという構成が面白い。楽曲もカッコ良くて、特にジーザスとユダのファンキーな掛け合いが秀逸。台詞の大半が歌で構成されているシネ・オペレッタ形式の作品なので字幕が無くても楽しめるけど、やはり何を歌ってるか認識出来る方が望ましいので、改めてBDソフトを買った意義は十二分にあった。安いし。

ファントム・オブ・パラダイスは言わずと知れたブライアン・デ・パルマ監督初期の傑作。ミュージカルにカテゴライズされる事が多いものの、伝説の舞台を作り上げようとする大物プロデューサーと作曲家と女性歌手の話なので多くの劇中歌に彩られた作品というのが正解。時代を反映したポップ・アート的な世界観も魅力的なれど、特筆すべきは楽曲の完成度。コンポーザーがカーペンターズへ多くのヒット曲を提供したポール・ウィリアムズだから楽曲クオリティが高いのも当然と言えば当然か。それと隠し味的にサスペリアのヒロイン、ジェシカ・ハーパーが歌姫を演じてる所もシネフィル的に高ポイント。実際にはファントム~を観たアルジェントがサスペリアへジェシカ・ハーパーを起用したんだけど。

ロッキー・ホラー・ショーは今や伝説化してるカルト・ムービーの金字塔。20世紀フォックス配給で一般公開された時は酷評の雨アラレで大衆にソッポ向かれたものの、数年後ミッドナイト・シアターで自然発生的に始まったパーティー形式の鑑賞法が定番化し、今も世界各地で公開イベントが開催されてるらしい。

公開時の事を掘り下げると、最も正当に評価されたのはジーザス~なのかな。今となっては一番影が薄いけど公開当時はゴールデン・グローブ賞にノミネートされたりして客入りも上々だったみたい。

一番不当な扱いを受けたのはロッキー~か。むしろ、公開当時の酷評地獄からよくぞ奇跡の復活を遂げたもんだと感心してしまう。

ここで3作を比較して、何故ロッキー~だけが特異な扱いを受けてカルト化したのかを分析してみたり。冷静に考えてもロッキー~は絶対的に完成度が低い。それを強く感じるのは序盤に登場する劇中最もキャッチーな楽曲タイムワープのシーン。リチャード・オブライエンがパーティー会場の扉を開けると客が20人に満たず、それを補うフレーミング処理もしてないから画的にスカスカで、しかもダンスのシンクロ率があり得ないほどに低い。もの凄い低予算という話だから多分スタッフをかき集めて撮ったんじゃないかな。

だからダメなのかと言うと、その脇の甘さが妙な魅力を醸し出す。悪く言えば素人っぽいけど良く言えば手作り感満載。で、以前ここにも書いた通り、その穴を埋めたくなる衝動に駆られた一部のコアなファンがパーティー形式の鑑賞法を生み出したんじゃないかと。

逆にジーザス~やファントム~がそうならなかったのは、やはり作品の完成度が高いからでしょ。すなわち観客の入り込む余地がないと。それが普通なんだけど。

カルトムービー数あれど、後にも先にもロッキー~と同等の扱いを受ける作品は現れない。それだけ特異な人を惹き付ける欠点を持った作品と言えるんじゃないかな。その証拠に・・って訳じゃないけどロッキー~って作品自体より周囲環境を語られる事の方が圧倒的に多い。作り手としては心外かも知れないけど半世紀近く語り継がれ、もてはやされてる事を考えたら幸せなのかも知れない。

長くなったので一旦切り、次回はリトルショップ・オブ・ホラーズ ディレクターズカット版の話を・・

« 2014年3月に観たWOWOW録画BD(DVDソフト含む) | トップページ | リトルショップ・オブ・ホラーズ ディレクターズカット版 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ジーザス・ファントム・ロッキー:

« 2014年3月に観たWOWOW録画BD(DVDソフト含む) | トップページ | リトルショップ・オブ・ホラーズ ディレクターズカット版 »

2022年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ