リトルショップ・オブ・ホラーズ ディレクターズカット版
このブルーレイ、2012年にリリースされてたのね。情報収集してないから全然知らなかった。
俺、フランク・オズ版のリトルショップ~が大好きで高く評価してるんだけどwebを見渡すと正に賛否両論。恐らく最大の要因はエンディングの差し替えでしょ。
リトルショップ・オブ・ホラーズはオリジナルのロジャー・コーマン版もオフ・ブロードウェイ・ミュージカルもバッド・エンディングで、主役が食人植物オードリーⅡに食われて幕を閉じる。しかしながら例外的にフランク・オズ版だけは主役がオードリーⅡへ勝利するハッピーエンド。しかも諸問題をすっ飛ばす形で唐突に終わるから尻切れの印象が激しい。俺はそれを踏まえても良作だと思ってるけど、コーマン版やミュージカル版の支持者は容認出来ないんだろうな。
シネフィルには周知の事実だけどフランク・オズ版も本来はバッド・エンディングだった。ところが公開前の試写で絶望的な幕切れに観客が拒絶反応を示した為、急遽追撮されたハッピーエンドに差し替えられる。DVDの特典映像で僅かばかり本来のエンディングを観る事が出来たものの完全な形で陽の目を見るのは今回リリースされたブルーレイが初めて。
そんな訳で遅ればせながらディレクターズ・カット版のバッド・エンディングを観たんだけど、こりゃあ確かに大衆はドン引きするだろうね。俺も1986年当時にこのバージョンを観たら素直に受け入れられなかったかも知れない。
とにかくフランク・オズ版リトルショップ~はクライマックスへ至るまでが最高に楽しいから、バッド・エンディングってのは落差が激し過ぎるわけ。今なら容認出来るけど、オリジナルも舞台も知らない状態でこれを観たら激しいショックに見舞われ、下手したら大嫌いになってたかも。そういう意味じゃエンディングの差し替えは正解だったと言える。
でも仮にこのバージョンが劇場公開されてたら今とは全く異なるファン層を取り込んでカルト化してた可能性が高い。どっちの方が作品にとって幸福だったかは知る由もないけど、個人的には劇場公開版を支持しちゃうかな~
とは言え、ディレクターズ・カット版クライマックスの視覚効果は本当に素晴らしい。これが全面カットになった事で特撮スタッフは激しく落胆したそうだけど、これ程見事な映像が陽の目を見ないって事になれば落胆するのも当然の話。
ブルーレイではディレクターズカット版と劇場公開版を自由に選択可能で、悲劇的な結末の後にハッピーエンドを見返す事も出来るから安心してバッド・エンディングを堪能出来る。四半世紀封印されてた事は制作スタッフにとって不幸としか言いようがないけど、これ単体でリリースしてしまうとそれはそれで別の非難を受けるから、こういう形でのリリースが最良だったと言っていいんじゃないかと。
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