青春少年マガジン 1978-1983 小林まこと
アオイホノオつながりで他の作者の自伝マンガをwebで探してたらヒットして入手。基本、小林氏の持ち味であるコミカルタッチで描かれつつも後半の展開は重く、心に鉛の様なしこりを残す。そういう作品だという事を知った上で読み始めたものの、漫画家とはここまで身を削る過酷な職業なのかと改めて思わずにいられない。実際、燃えよペンみたく抱腹絶倒のマンガでさえも修羅場は何度も描かれるし、素人の俺には計り知れない苦しみなんだろうな。
毎週毎週物語をひねり出し、構成した上で絵を描かなくちゃいけない。しかもそれが延々繰り返される。繊細な神経の持ち主だと身が持たない事は充分に想像が付くし、死ぬ思いで描き上げた作品が読者にはつまんねの一言で片付けられたりするんだからたまったもんじゃない。でも、これはもう仕方ないんだよね。だって読者には作者の苦労なんか分からないんだもん。逆に作者へ同情して肯定的な受け取り方しか出来ない読者って優れた受け手とは言えない訳で。
若くして人生をリタイアしてしまったクリエイターは心底気の毒だと思うけど、そこで踏み止まれる人じゃないと務まらない世界なんだろうなあとか、そんな事を思わされてしまう作品だった。
ところでこの本には小林氏のデビュー作、格闘三兄弟も収録されてる。確か小学生の頃に同級生がこれ面白いぜって言って掲載号のマガジンを貸してくれたんだっけ。だから読むのも数10年ぶり。当時バカ笑いしながら読んだ覚えがあるけど、今読むと爆笑には至らず。でも、凄く面白いし懐かしかった。
しかし、ここまで来たら藤子御代のまんが道も読まねばなるまい。相変わらずの長編アレルギーで二の足を踏んでるけど。
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