新宿ミラノ座LAST SHOWでタワーリング・インフェルノ
自宅へ戻り、タワーリング~のブルーレイをBGVにこれ書いてるけど、やはりスペクタクル超大作は大劇場で観ると全くの別物だねえ。大画面もそうだけど、あの大音響。ミラノ座クラスになると音が共鳴してナチュラルに残響音が発生する。これがスケール感を倍増するんよ。
思えばガキの頃、ひたすらビビったのは消防車のけたたましいサイレン音やビル火災の爆発時に鳴り響くガラスの割れる音。これが視覚のみならず聴覚を刺激して9歳児の俺を恐怖のドン底へ叩き込んだ。それを同じ場所、同じ音響で体感し鮮明に思い出す。
昨日のリアルタイム更新でも書いた通り、ミラノ座ラストショー30日19:00のタワーリング・インフェルノは掛け値なしの超満員。銀鉄の時も立ち見は出たけど詰めれば全員席に座れるレベルだった。ところが今回は上映10分前からカウンターを持った係員が立ち見を案内してたから入場者数が1064を超えたんだと思う。超満員の新宿ミラノ座でタワーリング・インフェルノを観られるなんて昭和のシネフィル的には何にも勝る幸福だよ。
ちなみに俺が初めてタワーリング~をミラノ座で観た1975年の9月30日(当時、担任教師に日記を強要されてたからよく覚えてる)は日曜の朝イチ上映だったし封切りから3ヶ月経過してたので満席じゃなかった。しかも劇場に着くのが遅れて途中から入ったので、あのマックイーン左下ポール・ニューマン右上という伝説のオープニングクレジットを大スクリーンで観るのも今回が初めて。もう、色んな意味で聖地ミラノ座へ別れを告げるにはこの上ないシチュエーションだったのでした。
しかし何度観ても突っ込みどころの多い映画ではあるものの、今回確信したのは面白さと完成度は比例しないって事。如何に穴の多いホンでも面白い映画は徹底的に面白いし、隙のない完璧なホンでもつまらない映画はひたすらつまらない。言わずもがなタワーリング~は前者。今回また新たな突っ込みどころを発見してしまったけど、それは映画の面白さを揺るがす物じゃない。そんな事を改めて学ばせてくれる機会でもあった。
とにもかくにもミラノ座ラストショーはあと1日でおしまい。これで1000席を超える映画館は日本から消えて無くなる。勿論寂しいけど、こういった映画体験が今後一切出来なくなるのかと問われれば、それはNoと答えたい。何故なら2000席を超えるコンサートホールにも映写設備はあり、イベント等で体感出来る可能性が十二分に残されてるから。ミラノ座死すとも映画は死なずだよ。
それでも俺に映画の魅力を教えてくれた新宿ミラノ座へは心よりの賛辞を送りたい。さらばミラノ座。大好きだったぜ。
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