松田優作物語
10日ほど前、地元のBookOffを覗いたら表題のコンビニマンガが一冊だけ陳列されてた。以前からその存在は知ってたものの読む気にならずスルーしてたんだけど、少し気になったし108円だしって事で気まぐれに買ってみたら結構面白くて読破したくなり、残り4冊をAmazonで入手して一気読み。最初は何時も通りジャックダニエル飲りつつジャズをBGMに読んでたけど、いやいやいやいや、優作マンガ読むならBGMも優作でしょって事で途中からBGを優作ベスト盤へ差し替えて読了。
6年に渡り関係者へ取材して書かれたという事なので若干の誇張や脚色もあるとは思うけどほぼほぼ史実に忠実と思われる内容。優作の武勇伝はファンなら誰もが知るところなので意外性こそないものの、俺の知らなかったエピソードも多く紹介されていて興味深い。しかしホントに熱い人だったんだな~という事を再認識させられる。
俺が松田優作という役者さんを強く意識したのは蘇える金狼が最初だったか。勿論、太陽にほえろ!のジーパン刑事の方が先だけど当時は役者の名前を覚えてなかったし、蘇える~の朝倉とジーパンが同じ役者だという事実を知るのも少し後。ガキなんてそんなもんでしょ。
この役者さん心底凄えと思ったのは野獣死すべし。あの死んだ魚の目は演技を超えてるよ。後に本放送では観てなかった探偵物語を深夜の再放で観たりして数多の優作フリークに仲間入り。その後はリアルタイムで活躍ぶりを追いかけてたから突然の訃報は本当にショックだった。
あの時の事を思い返すと、深夜へ差し掛かる時間帯に何となくテレビを観てたら信じられないニュース速報が流れて絶句。丁度その頃ブラックレインがロードショー公開中で、翌日たまたま休みだった事もあり新宿の映画館へ足を運び最期の雄姿を脳裏に焼き付ける。その日の夜だったか翌日だったかうろおぼえだけど、新聞に斎場の住所が書かれていたので居てもたってもいられず、お焼香だけでもと思い優作さんの葬儀へ参列した。
俺が親族や友人知人、職場関係者ではなく著名人の葬儀へ出向いたのはこれが最初で最後。何というか、一度も会った事のない憧れの役者さんが間違いなくこの世に存在した事実をこの目で確かめたかったというのが本音だと思う。
その数年後に仕事絡みで優作さんが主宰する劇団に所属してた方と知り合う機会に恵まれ、酒の席で少しだけ話を聞いたらその人は優作さんの死を受け入れらず、葬儀へも行かなかったという。俺は1ファンに過ぎなかったから普通に参列出来たけど、あれほどカリスマ性を持った人が近しい存在だったりするとそういう物なのかもしれない。
今も鮮明に覚えてるけど1989年には日本映画界を揺るがす大事件が2つ。一つは言わずもがな松田優作の死、もう一つは監督北野武の誕生。巨星は失ったものの時を同じくして大いなる救世主が現れた事に俺は運命的な物を感じた。とは言え、当時は北野監督が世界的な巨匠になるとは夢にも思わなかった。
まったくもって無い物ねだりなれど、今も優作さんがご存命なら一度はたけしさんと組んでたろうな。ただ、たけしさんって演出に口を出す役者を嫌うらしいから自作に起用する事はなかったかも知れない。共演ならあったかもね。
ちなみにこのマンガを読んだら久々に優作さんの雄姿が観たくなり近所のレンタル屋へ行ってDVDを何枚か借りてきた。ジーパン刑事も観たかったけど太陽にほえろ!はセルオンリーでレンタルされてなかった。取り敢えず竜馬暗殺、陽炎座、ブラックレイン、大都会Part2のVol.1を借りてきたので暫く優作三昧。
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