追想
追想という邦題の映画は2本あるけど、ここで言うのはアナトール・リトヴァク監督作じゃなくてイングロリアス・バスターズのクライマックスの元ネタになったロベール・アンリコ監督作の方ね。
いやあ、傑作って話は以前から聞いてたけど、ここまで俺のツボにどストライクな映画だとは思わなかった。疎開先でドイツ兵に妻子を殺された中年医師の復讐劇で、とにかく構成が秀逸。タイトルにある過去の幸福な日々の追想と、現実の血塗られた殺戮シーンのカットバックが執拗なまでに繰り返され、中年医師の怒りと無念さがビシビシ伝わってくる。
数多の復讐劇がそうであるように復讐という名の殺戮には観客を納得させる大義名分と説得力が必要不可欠。それをこういう構成で成立させる演出の妙には40年も前の作品でありながら新鮮さを覚えた。まあ、俺が不勉強なだけなんだけど。
それと物語のキーになる火炎放射器の笛みたいな効果音が凄く良い。伏線も効いてるし、これはもう傑作の名に偽りなし。しかしこの作品、長いことDVD化されない埋もれた作品の1つだったけど、ここにきてDVDがリリースされたのはやはりイングロリアス・バスターズの功績だろうね。そういう意味で間接的にタランティーノへも感謝すべきか。
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