さぶちゃん@神保町
こちらも余所のラーメンブログで知った老舗。俺の生まれた昭和41年創業で、今や何処の中華料理屋でも定番となっているラーメン+半チャーハン、いわゆる半ちゃんラーメンを考案した店なんだそうな。
そんな歴史ある店だったら以前ネタにした別冊angleに載ってるかも・・と思いつつ引っ張り出してきたら、やはり載ってた。
なるほど、ご主人が木下三郎さんだからさぶちゃんなのね。
で、折角だから逝ってみようと思いつつwebで情報収集をすると、どうも最近のレビューは不穏な内容が多い。曰く、ご主人が高齢のため調理に難ありだと。それでも一時代を築いた老舗の味を一度体感したくて、夜勤明けながら睡眠時間もそこそこに昼頃起き出して神保町へと足を運ぶ。
昔は行列店だったらしいけど今は路地裏でひっそり営業してる印象。
ご主人が書いたであろうお品書きとお知らせ。非常に達筆で雰囲気がある。あと、画像じゃ暗くてよく分からないけど時計の隣にTHE昭和な古びた扇風機が置いてある。
例によってネギ抜きを頼んだんだけど、その時のやりとりを再現してみる。
ご主人「え?麺抜き?」
俺「いや、ネギ抜きです」
ご主人「冗談だよ」
俺「・・・」
てな感じの微笑ましいやりとりの数分後、調理の様子を見てると俺のラーメンとおぼしき丼の中へおもむろにネギを入れ始めた。で、ネギ抜きですよ~って念を押したら「え? そうなの??」というドリフのコントみたいな返答。正にこれがご主人の現状を物語ってる。
要するにもう年齢的に限界を超えてるわけ。余所の受け売りだけど立ってるのもキツそうだし、見てると調理を代わってあげたくなる。とにかく突っ込みどころ満載で色々書きたいけど下手したら営業妨害になりかねないので止めておく。
ただ一つだけ書かずにいられない事がありネタにしちゃう。
俺が店へ入った時からご主人が弱火の中華鍋で何かを調理してる。炒めてると言うより、こねくり回してる様に見えたな。それから俺とのやりとりがあったり先客2名とのやりとりがあったり、ラーメンを作り始めたり搬入業者とのやりとりがあったりしたけど、その間中華鍋は完全に放ったらかし。
そしてラーメンが出来上がり配膳された数分後(俺が店へ入ってから約15分後)、その中華鍋で調理してた何かが皿に乗って出てきた。まさかと思ったけど、あれって俺たちのチャーハンだったのかーーー!!!
いや~ 一見しただけでこれはあかんでしょ。まあ、飯を弱火で15分炒めたらこうなるよね。なお、味についてはノーコメント。
こちらはラーメン。スープが少ない上に凄くぬるい。麺の茹で時間が短かったので余所のレビューに書いてあったフニャフニャ麺じゃなかろうと思ったものの、堅い麺と柔い麺が共存してた。結局、前に茹でた麺の残りを処分せず新しい麺を茹で始めちゃうから煮込み過ぎの麺が少量混ざってるわけ。
メンマは缶詰っぽいけどチャーシューが意外なほど美味かった。スープも化調効き過ぎの感こそあれ、アツアツだったらそれなりに美味かったろうな。
こんな調子で、かつては剣豪と謳われた武士の末路というか錆びた名刀というか、寂しさを拭いきれない印象だったけど、来て良かったとは思った。ご主人の様子をみるにつけ残念ながらこのお店って先行き短いと思うし、かつての行列店としての片鱗だけは体感出来たので。
ただ、二代目も厨房に立つらしいから、ご主人が隠居されても店は継続されるのかな。取り敢えず老体に鞭打って俺らの半ちゃんラーメンを作ってくれたご主人へ敬意を表しつつ今回のレビューはこれにて終了。
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