沈まぬ太陽
白い巨塔全5巻読了後に読み始めたのが先月中旬。1日平均100ページのペースで半月以上かけて昨日読み終えた。何しろ約2300ページの超長編だから時間がかかるのは仕方ない。で、今は昨年WOWOWで放映された全20話のドラマを鑑賞中。今12話を観終えた所だから結構なハイペース。小説と違ってサクサク先へ進むのが気持ち良かったり物足りなかったり。
しかし、別に狙った訳でもないのに明日が8.12とは何か運命的な物を感じる。これを機に以前から一度お参りしたいと思いつつ、観光気分で出向く場所ではないと自制してきた御巣鷹山の昇魂之碑へ近々お参りに行こうかと思ったり。今の時期はタイムリー過ぎるので、出向くとしても秋口になるだろうけど。
この小説、実話に基づいて書かれてるとは言えノンフィクションじゃないから全て鵜呑みにするのは危険。作中にもある通り言い回し一つで善は悪になり、悪も善になるので。
だからこれを読んだだけで日航をブラック企業と決めつけるのは短絡的なれど、主人公・恩地元のモデルとなった小倉寛太郎さんはホントに10年間、僻地へ飛ばされる不当人事を受けたらしいから少なくとも昔の日航は超ブラック企業だったんだろうな~と。
それにしても白い巨塔然り、山崎豊子って人は巨大組織の闇や権力者との癒着を生々しく描く能力に長けてる。しかも、こういう事って多かれ少なかれ企業の大小に関わらず何処でも展開されてるんだろうなと思わせる妙な説得力があったり。
俺なんか組織で上手く立ち回る能力が皆無に等しいから出世しないけど面倒な事にも巻き込まれない。その方が気楽でいいやと思ったりしてるけど、本作や白い巨塔にも派閥争いや大物の裏取引に巻き込まれる哀れな小者が登場するし、願わくは俺がそういう立場に置かれないよう祈るのみ。まあ、うちの職場は浪速大学付属病院や国民航空ほどドロドロしてないから大丈夫だと思うけど。
ドラマについてもちょっと書くと、時間的制約で端折れられる箇所が多いのは若干気になるものの原作に忠実な良作ではある。難を言えば国航便離着陸のCGがあまりにも稚拙な事だけど、これって日航機の記録映像が使えない(協力を得られない)事を逆手に取ったあからさまな狙いと思えなくもない。考え過ぎかな?
キャスティングについては概ね文句なし。ただ堂本取締役って爬虫類顔をイメージしてたから、國村隼さんもいいんだけど俺的には遠藤憲一さんとか、ちょっと老けさせた堤真一さん辺りが適役な気もする。個人的な趣味の問題なので作品価値とは別の問題だけどね。
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