爆笑映画館
私の記憶が確かならば今年劇場で観た映画はシン・ウルトラマンとトップガン マーヴェリックだけか。今に始まった事じゃないがシネフィル失格だな。
数少ない劇場鑑賞も都下のシネコンで客席ガラガラというパターンばっかりだから不特定多数の観客たちと盛り上がるなんて事も随分ご無沙汰。盛り上がるってのとは少し違うけど2015年に観たマッドマックス怒りのデスロードが最後に味わった一期一会の心地良い映画体験。今も封切り間もない話題作を満席近い劇場で観ればああいう体験が出来るのかなぁ。
昔の事を思い返すと昭和の時代に話題作なんかを観に行くと観客全員が盛り上がる気満々だったから登場人物がギャグかませば場内大爆笑なんて事はザラで、ギャグどころかちょっとしたマヌケな仕草だけでもみんな大笑い。もうホント、映画館って人を笑い上戸にさせる不思議空間だった。
そんな映画体験の中で印象深い例を挙げると中野武蔵野館で観たモンティ・パイソン二本立て(ホーリーグレイルとアンドナウ)、池袋文芸地下で観たキャプテン・スーパーマーケット、大井武蔵野館の中川信夫特集で観た女吸血鬼がベスト3か。モンティの2本立ては凄まじくて、あまりにも楽しかったら1-2週間の上映期間に4回観に行った。すると大してノリが良くない日にも当たったりして、映画もライブなんだと初めて認識した瞬間だったかもしれない。
キャプテン・スーパーマーケットも凄かったなぁ。アッシュが決め台詞を吐く度に場内大爆笑。クライマックスでは拍手喝采。あれ、映画祭でも何でもなかったんだよね。たまたまノリの良い観客が集結しただけ。女吸血鬼は半分映画祭ノリだったけど、あの時も精鋭揃いだったな。
逆にロッキーホラーショーを中野武蔵野館で観た時は後に社会現象となるパーティ形式が確立する前で客もまばらだったから全然盛り上がらなかった。映画自体は好印象だったけど、もしあの時にコスプレイヤーが大挙して押し寄せてたら印象は全然違ったろうね。
新宿オデヲン座で観たエイリアン2も凄かった。それと自主映画だけど渋谷パルコPART3で観たPFF84入選作の肉体労働者が空を飛ぶ時、窓ぎわのコーちゃんに恐怖の暗躍団が迫るもメチャメチャ盛り上がった。良い観客に恵まれると映画の面白さは二乗三乗に膨れ上がる事を学んだよ。
あと僭越ながら拙作スケ番ハンターズ地獄の決闘をゆうばり映画祭で上映した際に観客の皆さんが勿体ないほど盛り上がってくれた時も本当に嬉しかった。またあんな感じで不特定多数の人たちと映画で盛り上がりたいなという願望を自作で実現出来るなんて夢みたいな話ですよ。その快感が病み付きになって撮り続ける作家さんも多いと聞くけど、今はちょっと余裕なさ過ぎるので次回作に取り組むのは何時の事やら。
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