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2023年7月 8日 (土)

追悼 中村治雄(PANTA)

癌で闘病中という話だったから覚悟はしてたけど、やはり寂しいな。ここにも書いた通り20代の頃、追っかけレベルで傾倒した俺にとっては唯一無二の日本ロックスターなので。その肉体が荼毘に付されこの世から消えてしまう前に思い出話を綴っていく。

初めてPANTAさんの存在を知ったのは1980年頃たまたま聴いたFMラジオで、狂い咲きサンダーロードの挿入歌としてつれなのふりやが流れた時。過激なロッカーとして紹介されてたものの曲自体に過激さは感じられず、ただPANTA&HALという名前がやけに印象的で脳裏にインプットされる。

実際にアルバムを聴くのは相当時間が経過した1987年頃。この時期に日本語ロックのルーツを探求し始めたんだけど、そういう事をすれば当然、頭脳警察へ行き着く。で、色々調べたら70年代初頭の武勇伝がわらわら出てきて一気に興味が沸いた。ナイスなタイミングで頭脳警察のベストCDがリリースされ、期待に胸膨らませて聴いた際のファーストインプレッションは正直こんなもんか・・って感じ。当時の俺はアナーキーやらARBやらスターリンやらメジャーデビュー直後のブルーハーツやらを聴きまくってたのでその影響が大きかったんだと思う。進化形に慣れ親しみ過ぎたんだな。

この時期PANTAさんの最新ソロアルバムはR☆E☆D。これも聴いたけど小洒落たPOPな音だなってのが第一印象。そのすぐ後にリリースされたクリスタル・ナハトも似た印象を受けた。ただ、妙に引っかかる。音はPOPなのに詞の内容が極めてハード・・にも関わらずハードさがダイレクトに伝わってこない。何というかオブラートに包まれた印象。これは一体どういう事?と思いつつ音楽雑誌で関連記事を読み漁ってたら全ての謎が解けた。頭脳警察時代からPANTAさんはレコ倫に目を付けられてて、ストレートな表現だとNGを食らうので処世術的にこういう表現スタイルを確立させたのだと。

その事実に触れ改めてR☆E☆Dとクリスタル・ナハトを聴き返したら印象が180度変わった。もう何つーか羊の皮を被った狼の本性に触れ叩きのめされた感覚。さらに遡って頭脳警察を聴き直すと時代の息吹をも感じられるようになりズブズブとPANTAX'S WORLDへのめり込んでいく。そして今は亡き渋谷ライブインでPANTAさんのライブを観るんだけど音が滅茶苦茶ロック。アレンジ自体はCD音源と変わらないのに伝わる物が全然違う。俺、今まで一体何を聴いてたんだ??と思ったし、それより何よりロックは生で聴かなきゃ本質が掴めない事を肌で感じ病み付きにもなった。そういう点でもPANTAさんからは色んな事を学んだ気がする。

俺は一介のファンに過ぎずPANTAさんご本人との交流機会は一切なかったけど、MCや文献から滲み出る人柄に惹かれる部分も多かった。凄くマニアックで話が面白い人だなと。自伝に綴られた単車や車に関する持論に強く共感しつつ、アイドルやギャルゲーの造詣が深いというエピソードに触れた時はPANTAさんらしいなぁと思わされたり。僭越ながら他人とは思えない親しみ易さが感じられる。カリスマ性ってのはこういう事を言うんだろうな。

一度でいいから直筆サインをいただけたら嬉しかったけど残念ながらそういう機会に恵まれる事もなし。でも手元にはこんな物があったりして。

Img_2656

PANTA&HALのCD-BOXをヤフオクで落札したらライナーノーツに直筆サインが書かれてた。数量限定の予約特典らしいけど備考欄に何の記述もなかったからビックリした事を思い出す。

あと、少し病的だけどこれ。

Img_2655

日清パワステか大宮フリークスでPANTAさんが投げたピックと、手渡されたセブンスターの吸い殻。当時ライブへ通った人なら知ってると思うけどPANTAさんはアンコールでタバコを吸いながら現れ、最前列の客に吸いかけのタバコを手渡してから演奏を始めた。PANTAさんなりのスキンシップなんだろうけど、ある日のライブでは俺に白羽の矢が立ったわけ。愛煙家時代は俺もセブンスターを好んで吸ってたから、その点でも親近感を覚えたなぁ。

PANTAさん、貴方が居なくなって寂しいけど投げられたロック精神は今も俺の中で強く脈打ってます。今はただゆっくりお休みください。ありがとう、そしてお疲れ様でした。

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