« 2024年1月 | トップページ | 2024年9月 »

2024年8月28日 (水)

スピルバーグ版 ウエスト・サイド・ストーリー

約7ヶ月サボってた当ブログをいきなり再開。理由は色々あるけどまずこのネタは文字数制限のあるSNSじゃ語り尽くせないんで。しかし日本封切りから既に2年半経過してるので今更感ありあり。

スピルバーグ版の前に1961年製作ロバート・ワイズ版の話を。初見は俺が小六の頃で、wikiで調べたら1979年1月4日にTBSで放映された資生堂 新春スペシャル。ノーカット放映だったらしいけど俺が観始めたのは確かダンスパーティーのシーンからで、最初からちゃんと観たのはビデオレンタルが普及した後だったりする。当時映画チラシ収集に熱を上げてたからタイトルだけは知ってて、映画雑誌にあのウエストサイド物語が遂にテレビ放映!みたいな事が書かれてて少し気になり途中から観始めたってのが正直なところ。

いや何つーか、善し悪し以前に強烈なカルチャーショックを受けた。それまで鮫や熊が人間を襲う映画に夢中だったハナタレ小僧にとっては未知の領域で、カッコいいガイジンたちが唐突に歌い踊り始める構成に脳がバグった。もう訳分からん何じゃこりゃあ!って感じ。ガキだから物語には大して感情移入出来なかったけどモダンジャズとオペラを融合させたレナード・バーンスタインの楽曲とシャープなダンスに魅了され鑑賞後レコード屋へ走りサントラLPを買ってバカみたいにリピートした。あの片足を高く上げるダンスも小学校でよく真似したわ。かの淀川長治先生は体操みたいとかボロクソ言ってたけど俺は好きだったなぁ。今も決して嫌いじゃないし。

それだけ思い入れのある作品だから天下のスピルバーグさんがリメイクするという情報を掴んだ時は期待と不安が入り交じった。結局2年半も保留しちゃったのがその表れかも。

で、満を持してPrime Videoで全編観た訳だけど率直な感想はwebで散見される微妙なレビューと大差なし。やはりワイズ版の印象が強過ぎて違和感しかない。いや、良く出来た作品だとは思うんだけど何一つワイズ版に勝ってない。存在意義もよく分からない。強いて言えば昔こういう素敵な映画があったんだよ。だからこの期にワイズ版も観てねという若い世代へ向けての宣伝効果があるかも。

シンパシーを感じるとしたらオリジナルスコアを絶対に崩せない事。そのままやれば思いっきり比較されるし改変するとブーイングの嵐。もう試合の前から敗北が決定してる感じ。これもwikiによると総制作費$100,000,000で興行収入が $76,016,171だから回収に至ってない。結局、多くのシネフィルが俺と同じ感想しか持ち得なかった事の証ですかね。

曲順がワイズ版と異なるのも気になったけど、良い機会なので色々調べたら実はスピルバーグ版の方がブロードウェイミュージカルに忠実でワイズ版が改変してるらしい。俺、ミュージカル版は観たこと無いから全然知らなかった。それと初見のTBS放映版ってマリアを大竹しのぶが、トニーを国広富之が、ベルナルドをなんとジュリーがアテるという当時流行りの著名人吹き替え方式なのね。これは全く意識してなかった。あるいは忘れてるだけか。深掘りすると色々気付きがあって面白い。そういう意味じゃ2年半遅れのスピルバーグ版鑑賞も意義はあったかな。

« 2024年1月 | トップページ | 2024年9月 »

2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ