1年遅れでぼっち・ざ・ろっく!雑感
年末に上げるつもりだったけど大掃除やらPerfumeカウコン参戦やらとバタバタしてて結局年明け2日目になってしまった。まあいいや。別に誰かが待ってる訳じゃなし、勝手に熱く語りたいだけだし。
昨年観た14タイトルのアニメ中、質云々は二の次で個人的に最も刺さった作品を挙げるなら何を置いてもぼざろだろうな。とにかくリピート率が群を抜いてる。それこそ演奏シーンに限って言えば何度観返したか分からない。
そもそも俺は熱心なアニヲタじゃないからこの作品の事も去年の秋口まで全然知らなくて、たまたま目にしたこのシーンが最高みたいなツイートに触れ少し興味が沸きアマプラで観たのが最初。序盤はけいおん!の亜流か、ぐらいの印象だったもののブッ飛んだシュール系ギャグがちょっとツボに来たのでそのまま観続けたら5話の演奏シーンで脳天にキツいのを一発食らい、あとは無条件に最終回まで付き合わされ結束バンドのアルバム音源もDLし今じゃ二期を心待ちにしてる熱烈支持者の一人に。いや、これは傑作でしょ。それこそ幾つかの要素に限ればけいおん!を超えてるとすら思わされたり。
みんな書いてるけど俺も驚いたのは演奏シーンの作画クオリティ。コードフォームやフレットポジション、ストロークのタイミングが完璧に再現されてるから完全手書きじゃない事は分かるけどCGっぽさが希薄。昨今のアニメ技術に疎いから知らなかったもののこれはロトスコープなる手法で、実写の演奏動画を手書きでトレスしてるらしい。話題作とかではよく使われてるっぽいが相当手間暇かかるだろうから低予算の作品だと導入が難しいんじゃないのかね。要はそれだけ予算をしっかりかけた期待の大作だという事が伺える。
8話のぼっち覚醒にも勿論シビれたけど最終回の星座になれたらが決定打だったな。僅か3分の演奏シーンなれどそこに様々なドラマが集約されてて見事という他ない。これを観て原作のはまじあきさんも泣いたらしいけどそりゃ泣くでしょ。自作をここまで魅力的な形でアニメ作品として昇華して貰えたら原作者冥利に尽きると思う。
個人的に一番好きなのはぼっちが絶望的な機材トラブルをメンバーのサポートと本人の機転で何とか切り抜け、ホッと息をつくものの脇を見ればバンド演奏は続いてて、いかんいかんって感じで気を取り直し再び演奏に加わるシチュエーション。一言の台詞もなく画を見るだけで、ああこの娘も成長したんだなって事がひしひし伝わる。あと、初見じゃ絶対に気付かないけど何度も観返すと星座になれたらという楽曲の詞がこのシーンと完全にシンクロしてる事に気付く。声優さんの仕事も素晴らしかったな。もう携わった様々なジャンルのエキスパートが一致団結して作り上げた至高の名シーンだと思う。そして、感動のシーンでは終わらずスクール・オブ・ロック リスペクト(?)で〆という展開が良い。全編通してこの落差こそがぼざろの魅力だね。正にギャップ萌え。
熱く語ってきたけどこの駄文に触れ、取り敢えず5話と8話と最終回だけ観てみるかと思った貴兄へ一言。そういう見方をしても作品の魅力は1/100も伝わりません。主人公ぼっちの成長物語だから1話から飛ばさず観るのが絶対条件。特に最終回はそれまで付き合った視聴者へのご褒美なのでそこだけ切り取って観ても意味が無い。で、最初から5話まで観て乗れなかったら貴方とぼざろは相性が悪いので観続けても時間の無駄。
最後に作中登場せず放映終了後に結束バンド名義で発表された2曲のYouTube動画へリンク貼っておくけど、これも全編付き合った視聴者へのご褒美的なので作品を観た事ない人が聴いても恐らく、ふうん・・ってなもんだと思う。でも支持者にとっては神曲。そういう作品ですよ。