高級外車に憧れて
おかげさまで我が愛車BMW Z3は深刻なトラブルに見舞われる事なく秋を迎えられそう。とは言え何も無かった訳じゃ決してなく初夏にはボンネットが開かなくなり(解除レバーのワイヤー断線)それなりの修理費を要したし、今現在悩みのタネは右のパワーウインドウが手で補助しなければ開いてくれない事。これに関してはDIYの手順をwebで学び交換パーツも用意してあるんだけど何しろ連日クソ暑いので、もう暫くは騙し騙し使い続けて涼しくなった頃に作業しようと思ってる。
そんな調子で色々手間のかかる奴だが心臓部は元気なので周辺パーツの不具合は自分で何とかしようという意欲が湧いてくる。これでエンジンも不調だったら買い換えを検討しちゃうけど、そうじゃないからフルスケールのプラモデル感覚を満喫。勿論、修理費に何十万もかかるようなトラブルに見舞われたらTHE ENDなのだが今のところは楽しめる範疇。例えば先のパワーウインドウ修理に必要なパーツとシリコングリスの購入費は数千円で収まってるし。このまま何事もなければ車検を通して乗り続ける選択肢もあり。1年以上先だからどうなるか分からないけど。
しかしこれに乗ってると高級外車の所有欲を擬似的に満たしてくれるのでちょっと前によく言ってた宝くじ当ててマセラティかアストン・マーチン買うぞー!みたいな感覚が日に日に薄れていく。まあZ3は新車価格も400万程度だから高級外車とは言い難いのだが、マセラティやアストンだって年式の近いモデルなら乗り心地は似たような感じだろうなという想像が付く。だったらこれでいいや、みたいな。ちなみにマセラティもアストンも車幅が広過ぎて自宅の駐車スペースに収まらないから現実的に買うのは論外だったりする。
男たるもの高級外車に憧れるのはどの世代も不変だと思うのだが1977年のスーパーカーブームを多感な時期に迎えた世代は思い入れが数割増しな気もする。俺ら世代にとって高級外車の代名詞と言えばランボルギーニ・カウンタックLP400とフェラーリ512BB。ド派手なデザインに加え二千万前後という高価格が少年たちのハートを鷲づかみ。当時はどれだけ車高が低くて馬力があって価格が高いかが重要って感じだった。フェラーリよりカウンタックの方が低いからカウンタックの勝ちみたいな。まあハナタレ小僧ならではの発想ですよ。
他にも様々な外車メーカーがもてはやされたけど俺は何故かマセラティとアストン・マーチンに惹かれた。アストンはまあボンドカーという側面もあるからだけど何でマセラティだったんだろ。ちょっと調べると故障の多さはBMWの比じゃないみたいだから20年落ちのマセラティなんて絶対買っちゃダメっぽい。まあ直して乗り続けるだけの気力と愛着と財力があればそれはそれで楽しい日々だろうけど。
そう言えば大昔の記憶が突然甦った。NAロードスターに乗ってた頃、夜の目白通りを流してるとマフラーが錆び落ちそうなボロボロのディーノ208に出くわして、見たら金なさそうな同世代の若者が運転してた。富裕層の方々にしてみれば笑い者だったりするのかも知れないけど俺には凄く粋に見えた。25年落ちの安いBMWを自分で修理しながら乗り続けてるのもあの時ディーノに乗ってた車好きであろう若者の影響が少なからずあるかも知れない。傍から見て今の俺が粋に見えてるかどうか分からないけど、俺は粋なBMWオーナーだぜと酔いしれる事なら出来る。それでいいんじゃね。